【静岡県立総合病院様】アクセス解析から見直した、診療科・医師の探しやすさと専門性の伝え方

静岡県立病院機構様のwebサイトリニューアルを紹介するシリーズ。第一弾では機構全体の方針や取り組みを、第二弾では機構サイトにおける採用情報の集約や導線設計をご紹介しました。第三弾となる今回は、静岡県立総合病院様のwebサイトに焦点を当てます。
静岡県立総合病院様のwebサイトリニューアルでは、アクセス解析と検索キーワードから見えてきた利用者のニーズをもとに、情報の整理と導線の見直しを行いました。目的の診療科や医師、外来担当医を確認しやすくするとともに、病院の特長や専門性が伝わるサイトを目指した取り組みをご紹介します。
アクセス解析から見えた課題
診療科・医師の情報に集まるニーズ
リニューアル前の年間アクセス数では、「診療科」と「外来担当医表」が上位に入っていました。さらに、検索キーワードにも「○○科 医師」「○○科」といった語句が見られ、利用者が診療科や医師の情報を求めていることが分かりました。
こうした傾向から、診療科を見つけた後に、どのような医師が在籍し、誰が外来を担当しているのかを確認する流れが重要だと考えました。情報を個別に掲載するだけでなく、関連する情報へ続けて進める構成が必要です。
情報の分散と専門性の伝わりにくさ
一方で、ニーズの高い情報がサイト内に分散し、目的の情報を探しにくい状態でした。更新が追い付いていない情報もあり、利用者が必要な内容を確認する際の課題となっていました。
また、トップページや下層ページでは、病院の特長や専門性を十分に訴求できていませんでした。診療情報の探しやすさに加え、「どのような医療を提供する病院なのか」が伝わる情報発信も求められていました。
課題に応える4つの取り組み
診療情報の確認と病院理解を支える設計へ
課題をもとに、目的の診療科や医師、外来担当医を直感的に見つけることができ、病院の専門性も理解できるサイトが必要だということが分かりました。この方針に沿って、情報のまとめ方、ページ間の導線、特長の見せ方、継続的な情報発信という4つの観点から提案・対応しました。
① 診療科カテゴリを統合
従来は一般の方向けと医療関係者向けに分かれていた診療科カテゴリを統合しました。同じ診療科の情報を探す際に、閲覧者向けの区分をまたいで確認する必要が生じないよう、情報の入口を整理しています。
診療科の情報をまとめることは、利用者が参照先を判断しやすくなるだけでなく、運用側が掲載内容を把握しやすくするためにも重要です。分散していた情報の整理を通じて、更新時に確認すべき場所を分かりやすくすることを目指しました。
② 診療科から医師・外来担当医表へのシームレスな導線確保
希望する診療科を選んだ後、その診療科の医師や外来担当医表を続けて確認できる導線を確保しました。診療科の内容を読んでから、サイト全体のメニューに戻って医師情報を探し直す手間を減らすための設計です。
以下は、その例です。一つの診療科ページへリンクすると、関連リンクのボタンがページ上部にも下部にも入っています。

心臓血管外科のページには、概要、診療実績・取り組み、医師紹介・認定学会、治療内容、研究発表、外来担当医表へのリンクボタンを配置しています。診療科について知るところから、医師や外来の担当を確認するところまで、関心に応じてシームレスに情報をたどれる構成としました。
③ 病院の特長を伝えるコンテンツ作成
病院の特長を知っていただくために、トップページに特長を掲載し、下層ページでも紹介しました。サイトを訪れた段階で病院の強みに触れ、関心を持った内容についてさらに理解を深められる構成です。

「当院の特長」ページでは、「救急医療」「循環器医療」「がん医療」「出産」の4つの特長を掲載しています。詳細ページへの入口を設け、病院の強みを一覧で把握したうえで、関心のある分野を詳しく読める構成にしました。
各詳細ページでは、設備や診療体制を具体的に紹介しています。例えば救急医療では、初期診療から集中治療、退院後までを支える体制や、各分野の医師が連携する取り組みを掲載。循環器医療では、ハイブリッド手術室や救急診療体制を写真とともに説明し、治療の詳細ページにもつなげています。病院の専門性を、実際の医療を支える環境や取り組みから理解できる内容としています。
診療科や受診に関する情報と併せて、病院としてどのような医療に取り組んでいるのかを伝えることで、利便性だけでなく専門性にも目を向けてもらうことを目指しました。
掲載ページ:https://www.shizuoka-pho.jp/sogo/about/features/
④ 各職種の視点で発信する医療コラム掲載
各職種の職員が、それぞれの専門的な視点から情報を発信できる医療コラムを掲載しました。職種を限定することなく、多職種がそれぞれ記事を作成し、掲載するように運用されています。
これにより、診療科や病院全体の紹介に加え、現場で働く職員の知識や考え方を通じて、病院の専門性を具体的に伝えられるようになりました。執筆者の所属・職種も示すことで、医療を支える「人」の専門性が見える構成としています。利用者が関心のあるテーマを選んで読むとともに、病院を支えるさまざまな職種の役割にも触れられる構成です。
また、専門職の知見を生かし、利用者の疑問に分かりやすく答えるコンテンツを蓄積することは、SEOやAIO(AI検索への最適化)の基盤づくりにもつながります。誰が発信しているのかを明確にし、正確で独自性のある情報を届けることで、検索エンジンやAI検索でも参照されることを目指しました。
掲載ページ:https://www.shizuoka-pho.jp/sogo/column/
利用者の目的を起点に情報をつなぐ
今回のリニューアルでは、アクセス解析と検索キーワードから把握したニーズを起点に、診療科カテゴリの統合と、医師・外来担当医表へつながる導線の整備を行いました。さらに、病院の特長紹介と医療コラムによって、専門性を伝えるための情報発信も充実させています。
病院のwebサイトでは、必要な情報が掲載されていることに加え、利用者が目的に沿って情報へたどり着けることが大切です。静岡県立総合病院様の事例では、情報の探しやすさと病院への理解を深めるコンテンツの両面から、サイト全体の構成を見直しました。
静岡県立総合病院 ご担当者様より
10年ぶりの4サイト同時リニューアルは、要件定義から公開まで短期間で遂行する必要があり、アーティス様の細かなスケジュール管理は大変ありがたかったです。
また、患者さんが必要な情報に簡単にたどり着けるようアーティス様にご助言をいただきながら、膨大な情報を整理し、『4クリック以内で目的の情報に到達する』動線を確保することができました。
公開後、アクセス数は増加し、不要なページの削除・情報の集約を行ったことで、サイト動作も非常に軽くなりました。何よりCMS管理画面が使いやすく、レイアウトの自由度もあがり、各部署からの要望にも応えやすくなりました。今後も公的病院として、医療広告ガイドラインやウェブアクセシビリティに注意しながら、ホームページの適切な情報更新を行っていきたいと思います。
アーティス担当者より
担当ディレクター 森下より
今回のリニューアルで大切にしたのは、利用者が診療科のページを見つけた後に、何を知りたいのかまで考えることでした。アクセス解析や検索キーワードから見えたニーズをもとに、医師や外来担当医の情報へ続けて進める構成を意識しました。
また、受診に必要な情報を確認するだけでなく、病院の特長や、各職種が持つ専門性にも触れていただけるよう、情報発信の場を整えています。必要な情報を探している方が、病院の取り組みへの理解も深められるサイトとして活用していただければ幸いです。
株式会社アーティス ディレクター 森下
大学在学中、カナダのオーロラツアー会社でレセプション業務を経験。その後、東京の旅行会社にてオペレーターやプロジェクトマネージャーなどの幅広い職種経験を経て、アーティスへUターン転職。Webディレクターとして、大学や病院サイト、コーポレートサイトのディレクション・企画業務に携わっている。
この記事を書いた人

- これまでご依頼をいただいたお客様にインタビューを行い、記事を作成していきます。
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