【静岡県立病院機構様 全体統括】 4サイト同時リニューアルで実現した、アクセシビリティ対応と運用しやすいwebサイト

2026年の3月に4サイトを同時リニューアルされた静岡県立病院機構様に焦点を当て、各サイトを制作したうえでのこだわりや、改善されたことなどを計5本立ての記事で紹介していきます。
第1回目となるこの記事では、4サイトの要件定義から公開までの全体統括をしていただいたご担当者様にインタビューを行い、リニューアルの背景、ウェブアクセシビリティへの対応、各病院に合わせた運用改善についてご紹介します。
静岡県立病院機構様の紹介
静岡県立病院機構様は、静岡県の地域医療を先導する地方独立行政法人として、それぞれに特色を持ち、専門性の高い医療を提供している3病院(静岡県立総合病院、静岡県立こども病院、静岡県立こころの医療センター)を運営されています。
今回のプロジェクトでは、機構本部サイトと3病院サイトを同時にリニューアル。それぞれの病院の役割や特長を活かしながら、利用者にとって情報を探しやすく、職員にとっても更新しやすいwebサイトを目指しました。
▼各サイト
https://www.shizuoka-pho.jp/
https://www.shizuoka-pho.jp/sogo/
https://www.shizuoka-pho.jp/kokoro/
https://www.shizuoka-pho.jp/kodomo/
4サイト同時リニューアルの背景
今回、機構本部と3つの病院サイトを同時にリニューアルされた背景を教えてください。
大きなきっかけは、理事長交代に伴い、組織として広報により力を入れていく方針が示されたことでした。
以前から、病院サイトをより良くしたいという思いはありましたが、本部を含めた大きなプロジェクトとして進めるにはタイミングが必要でした。理事長の交代を機に、webサイトを見直す動きが一気に具体化しました。
また、前回のリニューアルでも機構本部と3つの病院サイトを一括で制作しており、保守もまとめて行っていました。そのため今回も、個別に進めるのではなく、4サイトを同時にリニューアルする方針となりました。




ウェブアクセシビリティ対応にも取り組まれましたが、どのような経緯があったのでしょうか?
以前から、総務省によるウェブアクセシビリティに関する調査を通じて、対応の必要性は認識していました。
ただ、既存サイトを運用しながら、一からウェブアクセシビリティに関する情報を取り込み、何が不足しているのか、どのような条件をクリアしていく必要があるのかを整理したうえで全面的に対応していくのは簡単ではありません。
また、対応するためには専門的な知識も必要で、組織内で対応していく、解決していくことも難しいと感じていました。
そこで、サイトリニューアルのタイミングに合わせて、公的機関としてウェブアクセシビリティにも本格的に取り組むことになりました。
単にデザインを新しくするだけでなく、誰にとっても情報を取得しやすいサイトにしていくことは、医療機関のwebサイトとして重要な取り組みだと考えています。
比較的短い期間でのプロジェクトを支えた進行体制
4サイト同時のリニューアルで、特に不安だった点は何でしたか?
一番不安が大きかったのはスケジュールです。
通常、これほど大きなwebサイトリニューアルであれば、要件定義も含めて長い期間をかけて進めるものだと思います。今回は年度内の公開をするという条件があり、限られた期間の中で、要件定義、設計、制作、確認、公開まで進めなければなりませんでした。
そうした中で、従来からアーティスCMSを利用していることや、豊富な医療機関サイトの制作実績を踏まえ、短い期間で確実に進められる体制を重視し、アーティスさんへの依頼を選択しました。
各病院で温度感の違いもあったそうですね。
はい。病院ごとに、リニューアルに対する温度感や意思決定の進め方が異なっていました。
早く進めたいという病院もあれば、委員会で一つひとつ確認しながら慎重に進めたい病院もありました。サイトマップの確認だけでも長時間の打ち合わせが必要になることがあり、病院ごとの進め方の違いを調整する難しさがありました。
一方で、それぞれの病院が大切にしている考え方や、利用者に伝えたい情報も異なります。全体として統一感を持たせつつ、各病院の個性を活かすことが、今回のプロジェクトでは重要でした。
アーティスの進行管理についてはいかがでしたか?
病院ごとに打ち合わせを設定していただき、スケジュール管理も主導していただけたのは助かりました。なかには、病院側の熱い要望もあり、毎週にわたって打ち合わせをしていただいたこともありましたが、大きな遅れを発生させることなく、進行の対応をしていただきました。
特に、設計からデザイン制作、ページの原稿収集の開始時期など、段階が変わる際には次の工程を見据えて「ここまでに決める必要がある」ということを早めに伝えていただけたことで、デザインやサイト構成の確定が進めやすくなりました。
複数サイトを同時に進めていると、どうしても一つひとつの判断が後回しになりがちです。スケジュールに沿って進めるために、必要なタイミングで声をかけていただけたことは大きかったと思います。
ウェブアクセシビリティ対応で見えてきたこと
ウェブアクセシビリティ対応で苦労された点はありますか?
特に難しかったのは色の扱いです。
病院ごとのテーマカラーを活かしたい一方で、ウェブアクセシビリティの基準を満たすためには、文字色と背景色のコントラスト比にも配慮する必要があります。色を薄くすると基準を満たしづらくなり、濃くすると従来のカラーと比べ、印象が強くなりすぎることもありました。
正直に言うと、デザインの自由度とアクセシビリティの両立は、実際に進めてみて難しさを感じた部分です。
ただ、公的機関として対応していく必要があることは理解していました。医療機関のwebサイトは、患者さまやご家族、地域の方など、さまざまな方が利用します。誰にとっても情報を得やすいサイトを目指すことは、今回のリニューアルで大切にした点です。

病院ごとの個性を活かしたサイトづくり
複数サイトを同時に進めたことで、病院間の相乗効果はありましたか?
ありました。
たとえば、ある病院で採用したスマートフォン向けのボタン配置を、他の病院でも取り入れる動きがありました。また、病院ごとのキャラクターをサイト内で活用することで、病院に対しての親しみやすさやブランディングにつながる場面もありました。
同時に進めたからこそ、他の病院の取り組みを見ながら「こちらでも取り入れたい」と考えることができたと思います。
もちろん、すべてを統一すればよいわけではありません。各病院にはそれぞれの役割や利用者層があります。共通する部分はそろえながら、必要な部分は病院ごとの特色を出すことが、結果として全体の質を高めることにつながりました。
CMS刷新と公開後の運用改善
新しいCMSの使い勝手はいかがですか?
以前のCMS(アーティスCMS2)と比べて、レイアウトの自由度が上がった点は良かったです。
たとえば、2分割や3分割のレイアウトなど、以前は実現しづらかった見せ方ができるようになりました。診療科や部署からの要望にも応えやすくなったと思います。
また、更新の反映が早くなったことも大きな変化です。CMSに蓄積された画像やページのデータが多く、以前は、承認後に反映まで時間がかかることがありましたが、現在は短時間で反映されるため、更新作業のストレスが減りました。
一方で、あらゆるページに使用する表の作成については、今後さらに改善され、使いやすくなると嬉しいです。
公開後の運用では、どのような変化がありましたか?
本部の承認フローを見直したことで、運用はかなり楽になりました。
以前は、実質的に同じ担当者が作成と承認を行っているような状態でした。今回のリニューアルを機に、不要な承認フローを整理できたことで、更新にかかる手間を減らすことができました。
病院側でも運用改善に取り組んでいます。これまでは各病院の更新担当者が中心となって一括して作業を行っていましたが、現在はCMSのアカウントを各診療科や部署にも配布することで、より多くの職員が自らWebサイトを更新できる体制になりました。
以前は、各部署からの依頼を受けて事務側ですべての更新を行っていたため、作業負担が非常に重く、承認決裁も週に1回、定期的に行わなければならない状況でした。
しかし、今回の体制変更により各部署が直接更新できるようになった結果、事務側の実務は大幅に減少しました。それに伴い、これまで「週1回」だった決裁頻度も「月1回」へと簡素化することができています。
運用の仕組みを抜本的に見直したことで、現場の自律的な発信を促すとともに、事務局の業務負担も軽減され、より継続しやすい安定した体制を構築できたと考えています。
また、本部から各病院に向けて、医療広告ガイドラインとウェブアクセシビリティに関する通知も出しました。そのため、更新をする職員全体で統一されたルールを認知することが重要になりました。アーティスさんからいただいた資料も参考にしながら、チェックポイントを整理し、医療広告規制やアクセシビリティへの意識を高めるようにしました。
実際に、表現が適切かどうかを確認する問い合わせが入るようになったり、画像を掲載する際に読み上げを意識した説明を入れたりするなど、現場でも少しずつ意識が浸透していると感じています。
リニューアル後、院内の広報意識に変化はありましたか?
CMS講習会には120名以上の職員が参加し、webサイトの更新に関心を持っている職員が想像以上に多いと感じました。
事務方だけでなく、各診療科や部署ごとでページを更新しようとする動きも出ています。今までの運用体制で更新自体が敬遠されがちだった状態から改善でき、それぞれの専門的な情報を発信していきたいです。
また、広報アワードへの参加など、webサイトを外部に評価してもらう機会も、院内の広報意識を高めるきっかけになりました。
サイトを作って終わりではなく、公開後にどう活用していくかが重要です。今回のリニューアルを通じて、webサイトが広報活動の中心的な媒体として、より意識されるようになりました。今後も、医療広告ガイドラインやウェブアクセシビリティのルールを守りながら、キャラクターや写真、動画、広報誌などの広報資産も活用し、各病院が継続的に情報を発信していくことが大切だと考えています。

アーティス担当者より
営業担当 鈴木より
タイトなスケジュールに加え、4つのサイトを同時に進行するという難度の高いプロジェクトでしたが、迅速かつ柔軟に各所との調整を図ってくださったからこそ、遅延することなく無事に公開を迎えることができました。
リニューアル後、各診療科や部署の職員様の間で広報への意識が高まり、主体的な更新の動きが生まれているとお聞きし営業担当として大変うれしい限りです。
今回のリニューアルはゴールではなく、新しい広報活動のスタートです。
今後も医療広告ガイドラインやアクセシビリティへの対応を含め、皆様が安心して持続的な情報発信を行えるよう伴走者として全力でサポートを続けてまいります。
株式会社アーティス 営業担当 鈴木
営業兼コンサルタントとして、これまで携わってきたWebサイトは500サイト以上、担当したクライアント数は300社以上にのぼる。現在は、豊富な経験を活かした提案を行いながら、ソリューション事業部 部長として事業戦略の勘案や後進育成にも取り組んでいる。
担当ディレクター 森下より
今回のプロジェクトでは、機構本部と3つの病院サイトを同時にリニューアルするという、大規模かつ短期間での進行が求められました。病院ごとに異なる課題やご要望を整理しながら、全体として使いやすく、運用しやすいサイトを目指しました。
サイトマップの検討やデザイン確認、CMS講習会など、各工程で多くの方にご協力いただきました。病院ごとの特長や広報への想いが、サイトの随所に反映されたと感じています。
また、ウェブアクセシビリティへの対応は、制作時だけでなく継続的な情報発信が必要となります。更新に関わる皆さまがルールを理解し、継続して実践していけるよう、今後もサポートしてまいります。
株式会社アーティス ディレクター 森下
大学在学中、カナダのオーロラツアー会社でレセプション業務を経験。その後、東京の旅行会社にてオペレーターやプロジェクトマネージャーなどの幅広い職種経験を経て、アーティスへUターン転職。Webディレクターとして、大学や病院サイト、コーポレートサイトのディレクション・企画業務に携わっている。
この記事を書いた人

- これまでご依頼をいただいたお客様にインタビューを行い、記事を作成していきます。
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